研究部

2022年8月23日(金)『全校研究会(全校たてわり授業研)』


今年度も発達課題ごとの6つの分科会に分かれて授業研を行いました。分科会テーマや6月の学習会で学んだことを踏まえ、「からだ」「体育」の学習のねらいや学習内容、手立て、評価等についての議論を深めることができました。今回は“子ども理解を深める”ことにも重点を置き、各分科会では具体的な事例をあげながら報告してもらいました。「子どもの姿をどのように捉えるのか?」「課題は何か?」「どんな手立てがあるのだろう?」等、子どもの姿をみんなで共有しながら意見を出し合うことができました。また助言者の先生方からのご意見やアドバイス、グループトークでの学部を超えた交流の中でも、たくさんの気付きや学びがありました。学んだことや気付いたことを日々の実践につなげ、よりよい授業づくりを進めていきたいと思います。

2022年6月8日(水)・17日(金)『全校学習会』

「第61回全国学校体育研究大会滋賀大会(11月)」、「全校たてわり授業研(8月・12月)」に向けた取り組みの一つとして、今年度新たに分科会ごとの学習会を企画しました。

【第1分科会】
『身体を通した発達支援 ~シェルボーンムーブメントの理論と実際~』
講師:特別支援学校教員 松山 直樹 氏
ムーブメント教育は、身体の動きを通した学習で、体力、筋力、瞬発力、身体の使い方のほか、自分自身の認識や他者の認識(人間関係・コミュニケーション)が身につくとの話がありました。自分自身の認識では、“身体認識”と“空間認識”を高めるとよいとのことでした。“身体認識”については、実技を通して目を閉じて身体の部位に触れられることでどのように感じ、どの感覚に働きかけているのかを体感することができ、手を意識した活動などの具体例も示していただきました。“空間認識”については、個人的な空間をつくって声をかけてから関わるようにすること、前後から関わられることが多い子どもたちに、横の空間など前後左右上下の6方向から関わることの大事さなどの話をされました。乳児期前半の子どもには、先生の主観が大事で、客観性に近い主観にしていけるとよいなど、あらためて気づかされることも多く、今回の学びを今後の実践に生かしていきたいと考えます。

【第2・3分科会】
『子どもの身体を理解しよう ~身体を捉えるポイント・授業づくりに活かせる指導や手立て~』
講師:大垣女子短期大学幼児教育科教授 川島 民子 氏
発達段階ごとの運動発達の特徴について、投げる・走る・跳ぶなどの動作の具体例も交えながら話していただきました。また、「ラテラリティ(左右差・側性)」という概念についての話では、課題に応じて脳が柔軟に処理できるようになるには、左右の大脳半球が円滑に連絡を取り合い、右と左の協調した運動ができるようになることが大切であり、そのためには、指導の中でも、正中線を意識することや自分をベースに様々な方向を意識して 動く経験をすることが大切であること等を教えていただきました。さらに、各学部の体育(からだ)の目標の中で、「ボディイメージ」や「体力」という用語を挙げて整理していただき、改めて子どもたちの課題をどうとらえ、体育の授業を通してどのような力をつけたいのか、について考え直すきっかけにもなりました。

【第4・5分科会】
『子どもの身体を理解しよう ~身体を捉えるポイント・運動やスポーツの意義~』
講師:大垣女子短期大学幼児教育科教授 川島 民子 氏
講演では大きく3つのポイントについて話していただきました。1点目は『運動発達』について幼い段階から5歳児段階にポイントを絞り、特に「投げる」「走る」「跳ぶ」といった動作の段階別の特徴をイラストも交えてわかりやすく説明していただきました。2点目はそうした運動発達を押さえた上で『ラテラリティ』について話していただきました。右脳・左脳による機能分離からくる左右差であるという説明に加え、その具体的な指導として正中線を意識した動きの実践例の紹介をしていただきました。「投げる」「走る」「跳ぶ」といった普段何気なく行いがちな運動の指導において、その科学的な根拠を示していただくものとなりました。3点目の『静(姿勢の保持)の取り組み』では、呼吸の速さをコントロールすることが交感神経と副交感神経のバランスをとることにつながり、気持ちの落ち着き(コントロール)へといざなってくれるという説明を聞き、実技の中でさらに理解が深まりました。講演後の積極的な質疑応答からは、参加者の関心の高さが感じられました。講演での学びを日々子どもたちの課題にあった実践をすすめる上でのエッセンスとして、今後みんなで共有したいと思います。

2021年12月15日(水)『第61回全国学校体育研究大会滋賀大会プレ大会』

県内特別支援学校等より15名程度の参加がありました。午前は6つの公開授業を行い、各学部の授業を参観していただきました。「子どもたちがいきいきと活動する姿をみることができました」「先生と子どもの関わりや教材の工夫等、なるほど!と思うことがありました」等、貴重なご意見、感想をいただきました。午後は、指導助言者である大阪体育大学准教授 曽根裕二先生に『障害のある子どもにとっての運動やスポーツの意義』というテーマで講演をしていただきました。いろいろな場面で子どもが“自分で選ぶ”ことの大切さ、学校生活の中で運動やスポーツを楽しむことが“豊かなスポーツライフ”につながっていくということについて、7月の講演内容をさらに深めて話していただきました。講演後は、発達課題ごとの6つの分科会に分かれて本校教員も参加して研究協議(全校たてわり授業研)を行いました。各分科会のテーマを中心に、子どもの姿を通して、授業のねらい・内容・手立て・評価等について議論しました。グループ討議では校外参加者からも様々な視点からの意見をいただき、日々の実践を振り返る良い機会となりました。

 

2021年12月23日(木)『全校研究会』(全校たてわり授業研)

8/24、12/15に引き続き、発達課題ごとの6つの分科会に分かれて授業研を行いました。実践報告やグループトークでは、具体的な子どもの姿を通して「そのときの子どもの思いは?」「楽しい活動を通して様々な力を育てるには?」…等、学部間の違いや共通性も含めて大切にしたいことについて話し合いました。また、一人ひとりの子どもたちが成長する姿を、学部を超えて共有し喜び合う機会にもなりました。各分科会の助言者の先生方からは、分科会テーマに沿って授業で大切にしたいポイントや具体的なヒント、アイデアをたくさん教えていただきました。研究会を通しての気付きや学びをみんなで共有し深め、日々の実践の中でしっかりと子どもたちに返していきたいと思います。

 

『障害のある子どもにとっての運動やスポーツの意義』

2021年7月27日(火)『全校研修会』
『障害のある子どもにとっての運動やスポーツの意義』というテーマで、大阪体育大学准教授 曽根裕二先生に講演をしていただきました。何よりも、子どもたち自身が運動やスポーツそのものを楽しむことが大切である(「主人公は子ども!」)ということ、そのための題材や教材の工夫、指導や支援のあり方等について具体例を通して考えることができました。また“アダプテッド・スポーツ”(一人ひとりの発達状況や身体の状態に「適応(adapt)させた」スポーツ)の視点や事例からはこれまでにない新たな学びを得ることができました。一人ひとりの学びをみんなで共有し、よりよい授業づくりにつなげることができればと思います。

 

『全校研究会』

2021年8月24日(火)『全校研究会』
(AM:学習会1、学習会2-① PM:学習会2-②、全校たてわり授業研)
学習会1では『子どもたちを理解する~気付かれにくい視点を通して~』というテーマで、本校教頭 川島民子先生に話をしていただきました。子どもたちの行動の背景にある理由を考えることの大切さ、その理由を考える視点の一つとしての“感覚”(特に“触覚”)についてのお話からは、「触覚には識別系と原始系があること」「触覚防衛反応の軽減」等、たくさんの新たな学びがありました。“なぜかな?”と常に立ち止まり、子どもの立場に立って様々な視点からのその理由を考えることの大切さを改めて振り返る機会になりました。
学習会2では、『子ども理解と授業づくりに発達理論を活かす ~障害のある子どもの発達と「からだ・体育」の取り組みについて~』というテーマで、本校元教員 山本千鶴子先生に話をしていただきました。発達的な視点(認識面の発達と運動面の発達の関係等)を子ども理解や授業づくりにどのように活かしていくかというお話からは、小・中・高と成長していく過程での違いも含めながら、子どもたち一人ひとりが手ごたえを感じ楽しむことができるような学習内容を考える様々なヒントを得ることができました。学んだことをよりよい授業づくりにつなげていきたいと思います。
全校たてわり授業研では、発達課題ごとの6つの分科会に分かれて授業研を行いました。各分科会、子どもたちがいきいきと活動する姿が報告され、授業のねらい・内容・手立て・評価等について議論をすることができました。少人数のグループトークでは、授業の一コマから「困った姿に見えるけど…その理由は?」「楽しさや手ごたえを感じるポイントは?」「こんな工夫はどうか?」等、一人ひとりの教員が様々な意見を出し合いました。学部を超えて交流・議論することで視野も広がり、小・中・高のつながりについてもみんなで考え合うことができました。

『教育研修会』

2021年8月26日(木)
『教育研修会』~校内だけでなく、地域の先生方にとっても学びの場に!~

野洲養護学校のセンター的機能を発揮する活動の一環として、校区内の地域の先生向けの『教育研修会』をオンライン形式でおこないました。
『地域で学ぶ自閉スペクトラム症児の理解と支援のあり方』と題して、全国各地で活躍されている岐阜大学 別府哲教授に豊富な事例を交えながら講演をしていただきました。
「障害のとらえ方」「行動面だけでなく、その背景を丁寧に読み解くことの大切さ」
「子ども自身の物の見方や受け止め方が〝ユニーク“ととらえることで、その子どもの世界に入らせてもらうようにすることが、本当の子ども理解や寄り添うことにつながる」
「子どもにとって好きなことをしてくれる人は、好きな人になり、心を開いていく」
校内の教師にとっても、目の前の子どもたちの顔を思い浮かべながら聴くことができ、良い学びの場になりました。
地域からは、保育園や幼稚園、小中学校の特別支援学級、そして発達支援センターや教育委員会からも、80人近くの先生方がオンライン参加していただき、「温和な語り口調でとても分かりやすく、2学期から子どもたちを迎えることが楽しみになった!」「(当初予定していた)学校見学をして養護学校の良さをもっと学びたかった!」などたくさんの感想をいただきました。本校在籍の子どもたちだけでなく、地域全体の子どもたちにとって、より良い理解と支援につながるように、支援者同士が一緒に手を取りながら、力量を高めていきたいものですね。